奇之助「どうでございます?貴女。」
お狐「ハイもうましで夢の覚めたようで。どういたしまして私はこちら様へ上がっておったのでございましょう?」
奇之助「ハハハ、いや何、気になさる事はありません、まあお菓子でもおつまみなすって。」
お狐「好いお屋敷でございますこと。お静かでお広くって。」
奇之助「ダチイキコツ、ネケンクジリンル、クウ、バア。」
お狐「エェ、出し抜けに大きな声をなすって、ビックリ致しました、何でございます。」
奇之助「少し静かに、静かに、貴女に私の術を掛けるから、それもう掛かって来ました。」
お狐「鳶が羽を拡げるような手つきをなすって何でございますネェ、‥‥ア、しかし掛けられまいというのも面倒だ、いっそ掛かった風をしてしまおう!」
奇之助「しめた。俺の術の突然式はこの通り卓絶だ。ダチイキコツ、ネケンクジリンル、クウ、バア。それもう眠った。さあこれからだ復習をしてやるのは、貴女ッ!」
お狐「ハーイ。」
奇之助「貴女、家へお帰りなすったら抜麿さんにお向かいなすって、僕があらかじめご用立ててある金三十三円三十三銭三厘三毛三絲三忽を御取り立てなさるがよい。すなわちその証書はここに在ります。この証書で責めて、ぜひとも取るのがよいです。寄越さなかったら眼へ指を突っ込んでも取るがよいです。それは皆貴女にあげます。そして指輪はそれをお取りなすったら返して下さい。」
お狐「ハーイ。」
奇之助「よろしい。お覚めなさい!ダコネジ、ナイ、バア。」
お狐「ハイもうましで夢の覚めたようで。どういたしまして私はこちら様へ上がっておったのでございましょう?」
奇之助「ハハハ、いや何、気になさる事はありません、まあお菓子でもおつまみなすって。」
お狐「好いお屋敷でございますこと。お静かでお広くって。」
奇之助「ダチイキコツ、ネケンクジリンル、クウ、バア。」
お狐「エェ、出し抜けに大きな声をなすって、ビックリ致しました、何でございます。」
奇之助「少し静かに、静かに、貴女に私の術を掛けるから、それもう掛かって来ました。」
お狐「鳶が羽を拡げるような手つきをなすって何でございますネェ、‥‥ア、しかし掛けられまいというのも面倒だ、いっそ掛かった風をしてしまおう!」
奇之助「しめた。俺の術の突然式はこの通り卓絶だ。ダチイキコツ、ネケンクジリンル、クウ、バア。それもう眠った。さあこれからだ復習をしてやるのは、貴女ッ!」
お狐「ハーイ。」
奇之助「貴女、家へお帰りなすったら抜麿さんにお向かいなすって、僕があらかじめご用立ててある金三十三円三十三銭三厘三毛三絲三忽を御取り立てなさるがよい。すなわちその証書はここに在ります。この証書で責めて、ぜひとも取るのがよいです。寄越さなかったら眼へ指を突っ込んでも取るがよいです。それは皆貴女にあげます。そして指輪はそれをお取りなすったら返して下さい。」
お狐「ハーイ。」
奇之助「よろしい。お覚めなさい!ダコネジ、ナイ、バア。」