お釜「それお召しだよ、お狐さん。今頃何もご用の有ろう筈は無いのだから、きっと魔法のご用に違い無いよ、魔法始めって言うんで。」
お狐「大変な事ネエ、私はどうしようか知らん。」
お釜「どうしようってったってとても仕方はありゃしないよ。石部さんのおじいさんをさえ捕まえてあの騒ぎをなさるのだもの!」
お狐「ほんとに困っちまうのネ、まるで魔法に掛けられちゃあ若殿様はヒヒみたいになっていらしゃるのネエ。」
お釜「お前さんもなかなかの口だこと!本当にヒヒなんだから叶やしないよ。いいサ、私の伝で百円とお言いよ。値で別れ話になるなあ商売(あきない)の常だって言うじゃあ無いか。」
お狐「ホホ魔法に使われ賃を百円なんていうのはヘンテコの商売ネエ。」
お釜「構やあしないよ。ホラまたお呼びになってるよ。」
お狐「仕方がない。お釜さんも一緒に行って下さいな。」
お釜「嫌な事だワネ。白羽の矢が立った人だけでお勤めなさい。それまたお呼びになるよ。」
お狐「あぁ切ない情け無い、心細くなってきた。魔法のご用だと思うと行く空は無いネ。」
お釜「水盃でもして別れようかネ。」
お狐「ひど!お前さんは人の事だものだからいい気になっているのネエ。ようござんす、思い切って行って来ますよ。」
お狐「大変な事ネエ、私はどうしようか知らん。」
お釜「どうしようってったってとても仕方はありゃしないよ。石部さんのおじいさんをさえ捕まえてあの騒ぎをなさるのだもの!」
お狐「ほんとに困っちまうのネ、まるで魔法に掛けられちゃあ若殿様はヒヒみたいになっていらしゃるのネエ。」
お釜「お前さんもなかなかの口だこと!本当にヒヒなんだから叶やしないよ。いいサ、私の伝で百円とお言いよ。値で別れ話になるなあ商売(あきない)の常だって言うじゃあ無いか。」
お狐「ホホ魔法に使われ賃を百円なんていうのはヘンテコの商売ネエ。」
お釜「構やあしないよ。ホラまたお呼びになってるよ。」
お狐「仕方がない。お釜さんも一緒に行って下さいな。」
お釜「嫌な事だワネ。白羽の矢が立った人だけでお勤めなさい。それまたお呼びになるよ。」
お狐「あぁ切ない情け無い、心細くなってきた。魔法のご用だと思うと行く空は無いネ。」
お釜「水盃でもして別れようかネ。」
お狐「ひど!お前さんは人の事だものだからいい気になっているのネエ。ようござんす、思い切って行って来ますよ。」