色即是空―BODY IS SOUL
代々木忠書き下ろし第3弾。
撮った作品1本1本のコメントとビデオの写真集。
今日の格言のようにありがたいお言葉が書いてある。
たとえば、
SEXにおける三つの恐怖
きっと彼女は寂しかったのだろう。毎晩ディスコに通い、男たちからナンパされていた。ディスコの仲間に入ろうとすれば、言葉使い一つをとっても彼らの共通言語が話せなければならない。彼女もそれをサマになるくらい身につけていた。だが、その言葉によってお互いの寂しさが語られることはない。
現場でオーガズムを体験する際、だいたい三段階の恐怖が女の子たちを襲うことになる。まず第一の恐怖は、それまで人に隠していた本当の自分が参加するときに起こる。SEXに限らず、すべてにおいてつねに一歩引いたところで見ているから、いざ本当の自分を出そうとしたときには怖いのである。
本当の自分がSEXに参加できれば、これまで体験したことのない快感が訪れる。そのときに第二の恐怖は起こる。誰もが人には知られたくない秘密を持っているものだが、快感の波に飲み込まれ、理性が失われていく中で、自分の一番醜いところを見せてしまったり、しゃべってしまうのではないかという恐怖がやってくるのだ。
最後は、自分がずっと押さえ込んでいたものがどんどん出て行ったとき、まわりのものや人が視界から消えていく。この客体の消滅が、第三の恐怖である。実際、目をカッと見開き、まわりの存在を無意識のうちに確かめようとする女性の顔が、私のいくつかの作品の中には残っている。客体が消えていく恐怖とは、同時に主体、つまり自分がいなくなってしまう恐怖でもある。
ディスコに通う彼女にも、この恐怖が訪れた。しかし、彼女がそのままオーガズムを迎え失神できてしまったのは、相手の目の奥に「この人だったら任せていいんだ」という信頼と安心が見いだせたからだろう。
失神から覚めた彼女は「ありがとう」と言った。それはディスコの共通言語ではない、本当の自分に戻った彼女自身の言葉だった。
(ビデオタイトル:素人発情地帯「ボディコン放心FUCK」)
代々木忠書き下ろし第3弾。
撮った作品1本1本のコメントとビデオの写真集。
今日の格言のようにありがたいお言葉が書いてある。
たとえば、
SEXにおける三つの恐怖
きっと彼女は寂しかったのだろう。毎晩ディスコに通い、男たちからナンパされていた。ディスコの仲間に入ろうとすれば、言葉使い一つをとっても彼らの共通言語が話せなければならない。彼女もそれをサマになるくらい身につけていた。だが、その言葉によってお互いの寂しさが語られることはない。
現場でオーガズムを体験する際、だいたい三段階の恐怖が女の子たちを襲うことになる。まず第一の恐怖は、それまで人に隠していた本当の自分が参加するときに起こる。SEXに限らず、すべてにおいてつねに一歩引いたところで見ているから、いざ本当の自分を出そうとしたときには怖いのである。
本当の自分がSEXに参加できれば、これまで体験したことのない快感が訪れる。そのときに第二の恐怖は起こる。誰もが人には知られたくない秘密を持っているものだが、快感の波に飲み込まれ、理性が失われていく中で、自分の一番醜いところを見せてしまったり、しゃべってしまうのではないかという恐怖がやってくるのだ。
最後は、自分がずっと押さえ込んでいたものがどんどん出て行ったとき、まわりのものや人が視界から消えていく。この客体の消滅が、第三の恐怖である。実際、目をカッと見開き、まわりの存在を無意識のうちに確かめようとする女性の顔が、私のいくつかの作品の中には残っている。客体が消えていく恐怖とは、同時に主体、つまり自分がいなくなってしまう恐怖でもある。
ディスコに通う彼女にも、この恐怖が訪れた。しかし、彼女がそのままオーガズムを迎え失神できてしまったのは、相手の目の奥に「この人だったら任せていいんだ」という信頼と安心が見いだせたからだろう。
失神から覚めた彼女は「ありがとう」と言った。それはディスコの共通言語ではない、本当の自分に戻った彼女自身の言葉だった。
(ビデオタイトル:素人発情地帯「ボディコン放心FUCK」)